わくわくダサイランド

プッチンプリンのぷるるん食感そのまま、豆乳クリーム・国産大豆を使用した豆乳をベースにアーモンドペーストでコクづけし、まろやかな風味を実現しています。動物性原料を使わず、きび砂糖などの植物性原料ならではの素材でやさしい甘さに仕上げました。※着色料・保存料・人工甘味料不使用

Always There

以前にも増して不要不急な外出を控え自宅に居ることが多くなったせいか、読書量が幾分か増えました。

今日、書物を求め、久々に図書館へと赴いたのですが、入ってすぐ脇の机に、氏名や電話番号、利用者カードの番号を記入する用紙が設置されておりました。
万が一、新型コロナウイルスの感染者が出た場合の、感染ルートを辿るための配慮なのでしょう。これもご時世なのでしょうか。
カバンから利用者カードを取り出し、用紙へ必要事項を記入していきます。
館内へと入り、いつもなら色々と見て回るのですが、ここはやはり短時間で済ませた方が賢明であろうと、手早く本棚からお目当ての本を抜き取っていきます。何度も通っている事もあり、我ながら慣れた手つきです。褒めて欲しいくらいの手際の良さです。
本を片手に抱えカウンターへ。もちろん、カウンターへと向かう足取りも軽やかで、一寸の無駄もありません。まるでTAS動画のような鮮やかさ。
受付のお姉さんに、本を差し出し、利用者カードを手に取ろうとカバンに手を入れ…。
 
手を入れ……。
 
何度、カードを掴もうとしても、その手はただただ空を切るばかりです。カバンを覗き込み、ゴソゴソと中を探ります。額に汗が浮かびます。
受付のお姉さんも、私の様子に気づいたのか、「ゆっくり探して下さいね」と優しく声を掛けてきます。
そんなはずはありません。入館からつい先ほどまで、惚れ惚れするほど無駄の無い動きでここまで来たのです。
何度探しても見つからず、お姉さんもカウンター付近を捜索してくれています。申し訳なさが込み上げて来ました。
館内の入り口まで戻り、用紙に記入をした机の辺りを探してみます。それでも見つかりません。
受付の奥から、スタッフの方が何名かやってきて、受付のお姉さんと話しています。えらい事になってきたと、ますます焦りが募ります。
 
祈るような気持ちで、もう一度カバンの中を探ってみます。
すると、奥の方から、まるで何事も無かったかのごとく、あっさりとカードが出てきました。
 
受付のお姉さんに何度も頭を下げ、申し訳無さやら恥ずかしさやらその他諸々の感情を抱え、図書館を後にしました。
結果、いつも以上に時間が経っていました。何が鮮やかですか。夕日に照らされ帰路へと着く私の背中は、さぞ小さく写った事でしょう。
 
ちなみに、森見登美彦先生の「熱帯」を借りました。
読むのが楽しみすぎる。