わくわくダサイランド

プッチンプリンのぷるるん食感そのまま、豆乳クリーム・国産大豆を使用した豆乳をベースにアーモンドペーストでコクづけし、まろやかな風味を実現しています。動物性原料を使わず、きび砂糖などの植物性原料ならではの素材でやさしい甘さに仕上げました。※着色料・保存料・人工甘味料不使用

ハロウィン

数日前のとある日、残業を終えた私が重い足取りで職場を出たところ、日が暮れ夜の帳が下りかけた空に、ぽっかりと黄色味を帯びた月が浮かんでいた。
見事な満月であった。

海外ドラマ「NCIS」にて、鑑識を担当するアビー氏によれば、月の光が人体に及ぼす影響というのは、特に無いらしい。
つまり、一見普通の人間が、満月を見て体に毛が生えだし狼人間へと姿を変える、といった話は創造の産物でしか無いという事になる。

では、私が残業を終え家路を急いでいる時に見た、頭部が狼のような姿で二足歩行をする生物は何だったのだろうか。
ハロウィンに浮かれた若者であろうか。
しかし、私の住む近辺は農業地帯で、土地の大部分を田や畑が占めており、夜には人通りもかなり少ない。
そんな、誰もいないような場所で、コスプレをしたりするものだろうか。

そして、その後に見た、オールバックにタキシードを身に付けた、顔色の優れなさそうな紳士は何者だったのか。
突然、すれ違いざまに私の首筋をかぷりと噛んで来たのだが、容姿や行動の不審さからとても不安を覚えた(痛みは無かったが)。
何より私を恐怖させたのが、辺りを月光が照らしだすなか、その人物の周辺のどこにも、影が無かった点である。
足早にその場を後にし、特に何もなく無事帰宅した。

しかし最近、何故だか夜になると徘徊をしたくなる衝動に襲われる事が多くなった。
顔色も、どうも優れずに目の下にくまが見える。
恐らくは、全てはハロウィンのせいである。