ダイヤモンドであってほしい
とある昼下がり、スリッパをはいて自宅をぽてぽてと歩いていたところ、スリッパからジャリジャリした音がする事に気がついた。
裏面を見てみると、透明の、細やかな結晶がこびりついていた。
はて、どこで踏んだのだろうと、来た道を辿って行く。
すると、自室の前まで来て、ドアの前に無数の結晶が散らばっていた。
これは何なのかと、廊下の電気を付けまじまじと眺めた。
明かりを乱反射させ、煌めく結晶。まるで氷砂糖を限りなく微細に砕いたようで、それはどこか幻想的な雰囲気すら醸し出していた。
あとで分かった事だが、それは猫の吐瀉物が乾燥したものであった。