わくわくダサイランド

プッチンプリンのぷるるん食感そのまま、豆乳クリーム・国産大豆を使用した豆乳をベースにアーモンドペーストでコクづけし、まろやかな風味を実現しています。動物性原料を使わず、きび砂糖などの植物性原料ならではの素材でやさしい甘さに仕上げました。※着色料・保存料・人工甘味料不使用

涙のバッティングセンター

先日、会社の同僚数人と共に、バッティングセンターへと赴いた。

最後にバッティングセンターを訪れたのは、私の記憶が正しければ小学生の時だったような気がするので、ウン十年ぶりに足を運んだ事になる。
 
雨のしとしとと降りしきる午後で、寒さが身に沁みる日であった。
球を放つ機械はその無骨な姿を丸出しであり、安全用ネットの少し手前には古めかしいゲームの筐体が並び、事務所と思しき一画にはブラウン管が映し出す昼のワイドショーを眺める従業員(恐らく)のおじいさんが年季を感じさせるソファにゆったりと腰掛けていた。
本当に「昔ながら」といった言葉がよく似合う場所で、焚かれたストーブが漂わせる灯油の香りも、そんな思いに拍車を掛けた。
 
まず、同僚の一人がバッターボックスに立った。バッティングをしたいと言い出した張本人であり、やはり言い出すだけの事はあって、豪快なスイングに捉えられた球は、美しい弧を描き、後ろの張り巡らされたネットへと吸い込まれていった。
次々と球を打つ同僚を横目に、私もプレイしてみる事にした。
放たれた球は、私の振るバットに全くかすりもせず、キャッチャーミット代わりの板へと打ち付けられていった。
その後、数回プレイする内に徐々にコツを掴み始め、我ながら見事なスイングから打ちだされた球が放物線を描き飛んで行くのを見届けた際には、思わずネットの向こう側へと振り返った。
私の開花したバッティングセンスに驚きの表情を浮かべる同僚達の姿を期待して。
しかし、そこには、すっかり飽いた同僚達が、楽しげにゲームに興じる姿があった。
 
その日、地面を濡らしたのは雨ばかりでは無かった。